建築法規の勉強を始めて最初も最初、「建築物の条件」でまず詰まった。
持っているテキストによると建築物というのは
・工作物であること
人が造ったもの。自然の洞窟などは工作物ではない。
・土地に定着したものであること
自動車、列車、船舶、飛行機などは、土地に定着していないので、船の客室なども建築物ではない。
・屋根があること
雨などを防ぐ屋根があることが建築物の要件となる。したがって、屋根を支える柱または壁が必要となる。
という3つを満たすものとされている。
こんな簡単な区分けをされていると例外が勝手に浮かんでしまうもので、個人的に気になったのが焼却炉や屋外の屋根付きエスカレーターだった。この2つは共に工作物だし、土地に定着しているし、屋根もある。ただこれらは建築物ではないらしい。
調べてみて分かったこととしては、まず法律には解釈の幅が存在するということ。法律の上にある憲法についても解釈の話が出るから考えてみたら当たり前なんだけど結構適当というか、よく言えば懐深い存在なんだなと。もっと冷たい壁のようなイメージだった、法律。
そしてこれに続いて、法律ってのは別に真理を突き詰めるものじゃないんだってこと。人が過ごしやすいように便宜上のルールを置いているだけなんだなと。今回の建築物についても、別に建築物という言葉の定義を完璧に制定することは目的でなく、建物の中で過ごす人に安心を与えるために「人が何か目的をもって滞在する建物」を建築物として定義し、人のために安全の基準を定めているというだけのことらしい。
逆にこの建築物に当てはまらなくても、「人が何か目的をもって滞在する建物」ならば例外として建築物と同様の規制を受けるものも多々ある。ここからもやはり目的が先にあって法律がつくられているんだなとわかる。
最初に立ち返ってみると、焼却炉はたしかに建築物から外されているのもよくわかる。まあまず人が入る場所ではないし、入ったとしてもメンテナンスくらいで、目的をもって滞在する建物ではない。
ただ屋根付きの屋外エスカレーターはなに…?ということで調べてみたが、建築物にあたらない理由としては複数の要因が絡まってるようでややこしい。
まず、屋外エスカレーターに屋根がついていても、工作物であるエスカレーターの保護が目的と解釈されて、人が雨風をしのぐための屋根と解釈されないこと。
エスカレーターには他の建築物にある滞留性がないこと。あくまで人はそこで目的をもって滞在しているのではなく、ただそこを通過しているだけって解釈なのかな。
そして、これを建築物にしてしまうと確認申請の際の計算や手続きがややこしくなってしまうこと。これが一番大きそう。法律ってのはよりよく生きていくためのものであって、生活を不便にしてしまっては元も子もないってことか。
調べてみたら「解釈」のようなふわふわした言葉を使いつつも、目的は一貫していることがわかって納得できた。ルールを決められるとついついその確かさの方にばかり目が行ってしまうが法律においてはその目的の方に注目するのが肝要で、文章の方は目的から生まれる解釈でどうとでもなってしまうようだ。


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